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らぶあま小説『オレだけのものになれ!』 - #0(真山side)chap.5

Category : 【オレだけのものになれ!】#0
らぶあま小説『オレだけのものになれ!』 - #0 (真山side)

◆chap.5 《大1》 年上との再開&・・・



 『明日…大学の入学式ですよね?サトシに会いに行ってもいいですか?』

 「はぁ?」

 かなりのいきなりっぷりに、オレは携帯越しに目を丸々とさせた。だってさ、この間泊まりに来たばっかだし、そんなハナシ全然話題にものぼらなかったし。当分会えないかもって思ってたから明日なんて聞くとオレも嬉しくなる。

 「…え?マジで?来れるの??」

 『はい。泊まりはちょっとムリなんですけど日帰りなら行けそうかな、なんて…』

 日帰りかぁ…。まぁでも、それでも会えるに越したことは無い。

 「ヒカルが平気ならこっちは全然構わないんだけど…あ。でも、入学式の後取材が1件入っててさ、会えるの多分2時頃からになっちゃうんだけどそれでも平気?」

 『あ…そうですか…』

 さっきよりも少し声のトーンが下がったような返事。日帰りだと、4時には電車に乗らないと帰りが遅くなるから、実質2時間しか会えない。ヒカルがガッカリする気持ちもわかる。

 せっかく来てくれる以上、オレだってもっと一緒に居たい。そうするにはどうしたら──。

 ──あ。

 ふと、思いついた提案をヒカルに投げかけた。

 「じゃぁさ、とりあえずこっちに来いよ。2時に大学の校門付近で待ち合わせでもいいかな?場所わかる?」

 『あ、はい。大学のパンフ持ってるんでそれ見れば大丈夫だと思います』

 「駅から10分くらい歩くけど複雑な道じゃないからわかり易いと思うんだ。もし迷ったらメールくれたら指示できるし。で、明日はオレもヒカルと一緒にそっちに帰るから」

 『……えっ?……いいんですか!?』

 嬉しさからだろうか。ヒカルの声のトーンが再び上がった。

 「うん。せっかく来てくれるんだし、オレも送ってくよ。そのほうが少しでも長く話せるだろ?」

 『はい!嬉しいです…ありがとうです』

 そんな話をしてお互い携帯を切った。明日はまたヒカルに会える。そう考えると自然とオレも笑顔になれた。




 ──楽しみだな、なんて。前日までは単純にそう思っていたんだけど。

 入学式当日。まさか、無理やり閉じた記憶の蓋が開くとは──。




 顔なじみの取材担当カメラマンと一緒に居た女性は間違いなく西間由布子。

 過去の苦い思い出が頭の中で勝手にフラッシュバックして。

 本当に身震いしたんだ。

 一瞬、フリーズして一度歩みを止めてしまったけど、ここで引き返すわけにもいかない。平然を装って再び前に進む。

 そして。

 「お久しぶりです…」

 軽くお辞儀をしたあと、カメラマンの小野さんに由布子さんとのことを悟られないように懸命に笑顔を作った。……だけど。表情筋がかなり強張ってるのが自分でも分かる。

 由布子さんが何故ここに居るのか、そして何を言われるのか…。考えるだけですごく怖い。

 でも。オレの想像と由布子さんの態度は全然違っていた。

 「ふふっ。本当にお久しぶりね!聡くんなんか大人っぽくなった感じがするけど…スーツ姿のせいかしら?」

 ビックリするくらい普通に笑っている由布子さんを見て、更にオレは気後れした。

 俺達の間に…“あんなこと”があったっていうのに──。

 それなのに由布子さんは決して動揺なんかしていなかった。オレもポーカーフェイスは得意なほうだと思うけど、由布子さんには負ける。それくらい、振る舞いの全てが“普通”だったんだ。

 「…今日、菅沼さんは?」

 話題を逸らすかのようにオレは小野さんのほうを見つめ、訊ねた。

 すると。

 「ああ、彼女ね、今日はどうしても外せない仕事が入っちゃったんだよ。だから直属の上司である由布子さんが彼女の代わりに来たってわけ」

 「え?上司って…?」

 産後、復帰したらもう同じ雑誌には戻れないと前に菅沼さんが言ってたはずなのに。しかも上司なんて…。どういうことか全然話が見えなくて小野さんに訊き返すと。

 「ああ、由布子さんね、チームリーダーに昇格したんだよ。本当は産後復帰した場合は違う雑誌に移動になることが多いんだけど、由布子さんは特別。仕事出来る人だからね」

 そんな発言に、由布子さんはクスっと笑いながら付け加えた。

 「最後のセリフはちょっと照れるけど…。でも、まさか私も戻れるとは思わなかったから本当に嬉しいの。通常の担当は今まで通り菅沼さんだけど、もしまた緊急で何かあった場合は今日みたいに私が取材することもあるかもしれないんでそのときは宜しくね!」

 差し出された掌を無下には出来ず、オレは一応反応して握手をした。

 「じゃあ早速始めましょうか」

 学内での撮影許可を得ていたようで、各ポイントまで移動する。今回はモノクロページの一角に大学入学のことを少し取り上げてくれるそうなんで、スナップ写真を撮るだけ。撮影クルーを引っさげるような本格的なものではない。

 それでも、小野さんに指示を出したり、キビキビと仕事をこなす由布子さんは、やはり凛としていてキレイな人だなと思う。でもあの頃よりも、今のほうがもっと凛として見えるのは気のせいだろうか?

 そんなことを考えながら3箇所程で撮影を終えると、由布子さんが自分の腕時計に視線を落とした。

 「あ、もうこんな時間なのね。聡くんお昼何も食べてないでしょ?近くのファミレスに移動して食事しながら話聞こうかしら?」

 そう言われて、オレも時計を確認したら1時半を過ぎた頃だった。2時にヒカルと待ち合わせしてるから…できればここを離れたくない。

 「あの…オレ、2時から用事があるんでできたらここでお願いしたいんですけど…。昼も全然食わないで大丈夫なんで」

 「そっか。それじゃ、仕方ないわね。手短に済ませるようにするわ。そうね……じゃ、あそこの木陰のベンチで少し話を聞かせて?」

 由布子さんが指差す方向へ3人で移動すると、オレと由布子さんはベンチに腰を下ろした。小野さんはカメラを調節しながら取材の様子も写真におさめていた。



 *******



 話は順調に進み、そろそろ終わろうかという時に。小野さんが「すいません。帰る前にちょっとトイレ」と席を外した。

 そんな状況にオレは再び身体が硬直する。

 由布子さんと今、2人きりになるなんてものすごく気まずい…。どうしようか…。

 なんて、心の中で考えていたのも束の間。

 「この隙に…聡くんと仕事以外の話もできるわね…」

 ポツリと。笑顔でそんなことを言われて。更にオレの心拍数が上がったんだ。

 「聡くんと今日こうして再会できたのも何かの縁かもしれないから……。少しだけ、あの頃の話をしない?」

 「……」

 オレは下を向いたまま、うんともすんとも返事をしなかった。というか、返事が出来なかった。オレは由布子さんから逃げた卑怯者。何かを言える立場じゃない。

 そんなオレの気持ちを悟ったのか、由布子さんが再びゆっくりと口を開いた。

 「やっぱり…あの頃のことまだ気にしているのかしら…。手紙にも書いた通り、子供は間違いなく主人の子だったから、もう何も心配しなくていいのよ?…主人も改心したのか、女遊びは一切やめて、今やいっぱしの父親っぷりを発揮しているし」

 「……」

 「私がこの仕事に復帰できるのは、主人と、主人の両親の理解があってのことだから、本当に有り難く思ってるの。家庭も円満だし、今はすっかり前に進んでいる感じよ」

 「……」

 「…一時期は現実から逃げて、聡くんとの擬似恋愛みたいなものに溺れていたのは確かだけど、よく考えたらそれは私も主人と同じだったのよね。…だから、自分も変わらなきゃって思ったわ。そんな頃、聡くんに“もう相談にのれない”ってメールをもらって…。それで私も完全に目が覚めたのよ…」

 「……えっ……?あのメールで?」

 オレは驚いて目を見開いた。まさか、あんなメールで…自分が逃げるためだけに返信したメールで由布子さんの目が覚めたなんて。

 「うん…そう。あれで、私もしっかりしなきゃって思ったの。自分は聡くんに何を求めているんだろうって。最初は話を聞いてもらうだけで十分だったのに、いつの間にか要求のハードルが上がってしまっていて…。私が変わらなきゃ、書の世界で有望な聡くんの未来までおかしくさせちゃうんじゃないかって思って怖くなったわ。だから、しっかりしなきゃって自分に喝を入れたの」

 真っ直ぐ前を向いて淡々と話す由布子さんは、本当に過去に一区切りつけているようだった。前は凛とした中にも寂しさのオーラが見えることがあったのに、今はそれを微塵も感じさせない。ってことは、これは間違いなく家庭も仕事も、全てが安定しているってことなんだろう。

 今までオレが背負ってきた“裏切り”という名の重荷。誰にも知られないように、ただひたすら隠しながらその重みに耐えてきたけど。

 今日は…。その重みから解放されていいんだろうか?

 「あ、そうだ!よかったら赤ちゃんの写真見ない?」

 由布子さんは場の空気を変えるかのように携帯を取り出し、待ち受け画面を見せてくれた。オレはそれを覗き込むように見る。

 「かわいいっすね…」

 赤ちゃんがちょこんと床に座って笑顔でこっちを見ている写真だったんだけど、本当にかわいくて。思わず顔がほころぶ。

 「でしょ?自慢の娘なの。…なんて、親バカよね」

 クスクスと笑う由布子さんにつられて、オレも自然と笑えた。

 「ふふっ。聡くん、やっといつもの笑顔で笑ってくれた。やっぱり、私のことどこかで気にしていてくれたのよね…。本当にあの時は色々迷惑かけてごめんなさい」

 由布子さんの詫びは、流石に心が痛む。だって…詫びてもらうようなことは何一つ無いのに…。

 このままずっと黙ってばかりもいられない。オレも意を決して自分の気持ちを正直に告げた。

 「いえ…由布子さんが謝ることじゃないですよ。オレもあの頃の自分は情けなくてあまり振り返りたくはないんです…。色々あったけど、こうして由布子さんが幸せでいてくれて、かわいいお子さんも産まれて。それだけでオレは十分ですから…。もう過去はお互い水に流しましょう」

 由布子さんはそれを聞いて、ホっとしたような表情で微笑んだ。

 「…そうね。聡くんがそう言ってくれるなら…。私も安心したわ。ありがとう…」

 2人の間に霞がかっていた霧が、やっと晴れて。先の見えなかったつり橋が、対岸までしっかりと見えるような。そんな晴れ晴れとした空気が心の中に流れ込んできた。

 ついさっきまで、まさかの再会にビクビクしていたっていうのに…。こういう結果になるなら寧ろ大歓迎だ。嫌な蟠りが解けて、お互いにプラスになったと思う。

 「お子さん、どっち似なんですか?」

 今度はオレのほうから話を振ると、由布子さんも嬉しそうに答えてくれて。

 「目はまるっきり主人に似てるのよ。口元はよく私に似てるって言われる」

 「名前はなんてつけたんですか?」

 「愛華(まなか)よ」

 それからは、いつの間にか普通に会話が弾んでいて。そうこうしてるうちにカメラマンの小野さんも戻ってきた。

 「すいません。じゃ、行きましょうか」

 そう声を掛けられ、オレたちは席を立った。

 そして、「オレも門まで一緒に行きますよ」と告げ、3人で少し歩き始めた頃。

 突然、オレの携帯が鳴った。

 あ。この着信音はヒカルだ。時計を見るとほんの少し2時を過ぎていた。

 「ごめん、もう着いてる?」

 急いで携帯に出てそう訊くと、やはりもう着いたそうだ。

 「オレも今そっちに向かってる。すぐ着くから待ってて」

 手短に話し終えると携帯を切った。そんな様子を由布子さんが見ていて、すぐさまオレにこう言った。

 「そうだ、ごめんなさい。待ち合わせだったのよね。平気?私たちに構わず、急いで行ってもいいのよ?」

 「いえ、どっちにしても門で待ち合わせてるんで…。それに…急ぎというか、待ち合わせの相手…実はオレの彼女なんですよ」

 もし、ここに居たのが菅沼さんとカメラマンさんだけだったら、こんなことは絶対に言わないだろう。

 でも、なんとなく。由布子さんとさっき色々話せたからか、オレも大事に想ってる相手が居ることを由布子さんには知らせておきたかった。

 「え!?本当に??」

 由布子さんは驚いた声を上げて、視線を門のほうに向けた。小野さんも一緒になってどれがオレの彼女なのか探しているようだ。

 「ここからじゃ、まだ見えないと思いますよ。多分外側の少し離れたところに居ると思いますから」

 ヒカルの性格上、門の中で堂々と待ってることはありえない。何故か少し早歩きになる由布子さんと小野さんにつられ、オレも歩行を合わせる。

 そして、外に出ると。

 案の定、ヒカルが待っていたのは門から少し離れた場所だった。

 「あ、あの子です」

 オレが由布子さん達に説明しながらヒカルに向かって手を振ると、ヒカルも小さく手を振った。

 「ちょっとこっち来いよ!」

 少し声を張り上げヒカルを呼ぶと、おずおずとオレの隣にやってきた。

 「今日、大学で少し撮影したんだ。こっちはカメラマンの小野さん。そしてこっちが記者の西間由布子さん。2人とも、オレの担当してくれてる人だよ」

 そうヒカルに説明してやると。ほぇ~っと少し驚いた顔で。

 「あ、あの、ハジメマシテ。高月ヒカルです…」

 と。ペコリ一礼した。

 「はじめまして。ヒカルちゃんね。聡くんの彼女なんですって?!」

 由布子さんは笑顔でヒカルに問いかけた。

 「ええっ??…あの…えっと……」

 言ってもいいの?と訊いて来る視線に、オレも小さく頷いた。

 「はい…そうです…」

 「お!これは、ちょっとしたスクープだよね。書道会の貴公子に彼女出現!って見出しで、今度の記事に一緒に載せちゃおうか??」

 小野さんがそう言いながら首にぶら下げたカメラを咄嗟に構える。

 「え?え?…うわーっ!」

 小野さんはからかってるだけだったのに、ヒカルはマジなリアクションでオレの後ろに隠れてしまった。

 「あはははは!ヒカルちゃん、冗談だよ。ごめんな。でも、なんかすごく純な感じでいいなぁ。オジサン気に入っちゃったよ」

 「小野くん、ダメよ。からかっちゃ。…それにしても、とっても素直な感じのカワイイ子ね。聡くんの御眼鏡に適ったなんてスゴイじゃない。聡くん、ウチの雑誌じゃ結構な人気で、ファンレターが編集部にもよく届くのよ」

 「えっ???ホントですかっ???」

 ヒカルの目はこれ以上驚けないって位くりくりとしている。

 「いやいや…2人してヘンな事言わないでくださいよ」

 「あら!私が言ってるのは本当のことよ?…それにしても、聡くん、もうすっかりヒカルちゃんに夢中って感じね。すごく大事にしてるのがわかるわ…」

 由布子さんは優しく微笑みながらオレの後ろからひょっこり顔を出しているヒカルを見ていた。

 ───確かに。オレは過去に由布子さんと色々あった。

 ヒカルと出会ってから、そんなオレの情けない過去は消し去ってしまいたいとずっと思っていたけど。今日、偶然にも由布子さんと再会して。色々話して。色んな意味で踏ん切りがつけたから。

 オレは、すぅ、と息を吸い込み。一瞬止めた。

 そして、オレも由布子さんみたいに強く、前に進みたくて。気づいたら、これでもかってくらいの爆弾を投下していた。




 「大事ですよ。オレ。将来はコイツと結婚しますから」




 いきなりの発言にその場に居るみんながギョっと目を見開き、一歩遅れて「えぇーーーっ??」と吃驚の声を上げた。

 ヒカルだけはあまりの衝撃に目どころか口までポカーンと開けたままオレを見ている。

 あれ?やっぱ、刺激強すぎたか?

 でも、由布子さんはオレの本気に気づいてくれたみたいだ。

 「あらあら。そうなったら本当に大スクープだわね!そのときはウチの雑誌に独占取材させてね」

 そんな前置きがあった後。

 「それにしても、聡くんが大事な人を見つけてたなんて私も嬉しいわ。これからも2人仲良くね。今の気持ちを忘れずに、ヒカルちゃんのことしっかり護ってあげるのよ」

 由布子さんのそんな言葉に、ふと、出会ったときに由布子さんと交わした会話を思い出した。

 ───真山くんはちゃんと女の子護ってあげられそうよね。結構一途なタイプ?

 確か、そんな問いにオレは『まだ一途になれるような相手に出会ってないからわからない』と答えていたと思う。

 今の由布子さんの言葉尻は、なんとなくその時のことを連想したから、もしかしたら、由布子さんもあの時の会話を覚えていてくれたんだろう。勝手な解釈かもしれないけど、“やっとそんな相手が見つかったのね”という意味が含まれてるような気がした。

 「いやー、なんか若いって真っ直ぐで気持ちがいいね。すっかり当てられちゃったよ。じゃ、あとは2人だけのほうがいいだろうから俺達はさっさと退散しましょうか。あ、聡くん、お幸せに!式には呼んでくれよなっ」

 小野さんがニカっと笑いながら由布子さんを誘導する。

 「ふふっ、そうね。私達はお邪魔だわね。じゃ、聡くん。取材のことでまた何かあったら通常担当の菅沼さんのほうから連絡させるから。今日は久しぶりに会えて楽しかったし、何よりヒカルちゃんを紹介してくれて本当に嬉しかったわ。どうもありがとう」

 由布子さんもニッコリ微笑んで「じゃあね」と。オレとヒカルに手を振ってくれて。背を向けたあと、小野さんと2人で駐車場のほうへと歩いて行った。

 そんな後姿を暫し目で追う。そして、もうこれで完全に蟠りが晴れたかと思うと。オレの心も、羽が生えたように軽くなった。

 ふと、オレの左隣に移動してきたヒカルを見ると、なんだかしかめっ面なのか何なのか分からないような顔をして、今にも泣き出しそうな表情をしている。

 「ちょっ…。ヒカル?どした??」

 オレは驚いて更にヒカルの顔を覗き込むと。

 「だって…サトシが結婚するとか言うから…ビックリして……」

 え?何?それは嬉涙?それとも驚きの涙??

 「それと、サトシがファンレターいっぱい貰ってるなんていうのも初耳で…心配になって……」

 はぁ?そっち??

 「もう、わけわかんなくなっちゃいました……」

 最後のヒカルのセリフが可笑しくてオレもククっと笑った。わけわかんないって顔、確かにしてるもんな。

 色んなことがいっぺんに起こって、軽くパニック状態のヒカルをオレはじっと見つめて。

 さっきと同じことを。もう一度、真剣に告げた。

 「結婚するってのは、ホントだよ。オレ、もっと頑張ってもっと周りに認められるようになったら、ヒカルのこと掻っ攫うから。イヤだって言われても、担いで行くつもりだからさ……。覚悟してろよ?!」

 「ふぇ…」

 と。小さく声を出したかと思ったら、顔をくしゃくしゃにさせて泣くヒカルを。

 やっぱり誰よりも愛おしく感じる。

 オレはヒカルの肩を優しく組み抱き、頭を撫でた。

 「そろそろ、オレ達も行くか。あ、それより飯、食った?」

 「…まだです…」

 「じゃ、どっかで食ってこうか?」

 「はい…」



 歩き出す歩幅を合わせて、今あった過去から、これからある未来へ。

 一歩一歩踏み出すのは、この先ずっと、ヒカルとだけ。




 ◆◆ Fin ◆◆




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らぶあま小説【R15(一部R18)】 オレだけのものになれ! (最新更新日 12/21 SS《Type2》 UP!)

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