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らぶあま小説『オレだけのものになれ!』 - 卒業&入学編2

Category : 【オレだけのものになれ!】卒業&入学編
らぶあま小説『オレだけのものになれ!』 - 卒業&入学編

◆chap.2 通学路で



 明日なんて来なければいいなんて思っても、時は確実に。正確に刻まれてしまう。

 どんなにあがいたって“今日”はやってきてしまうのだから、時というのは無情なもんだな…。

 目覚まし時計が鳴り響くとともに、アタシはベッドからムクリと起き出した。

 あまり眠れなかった目をこすりながら、いつものように歯磨きして顔を洗って。

 朝食は食べないと親に叱られるから、仕方なく頬張る。それでも沢山は食べる気がしなくて、早々に食卓を後にした。

 2階に上がって、急いで制服に着替えて、ほんのちょっぴりお化粧をしてから姿見に自分を映す。

 “笑顔、笑顔、えがお、えがお、エガオ・・・”

 にっこり微笑みながら呪文のようにココロで繰り返す言葉。

 卒業式では絶対に絶対に泣かないって、もう前から決めてたから。アタシは両ほっぺを自分の両手でパチパチと軽く2回叩くと、鞄を持ち上げて部屋を出た。

 「行ってきま~す」

 ドタバタと階段を下りながら家族にそう告げてから、靴を履いて玄関を出る。


 ───実は。


 今日は少し早めに出て、先輩の家の前で待ってるっていうサプライズを計画してるの。だからいつもの朝の待ち合わせ場所じゃなくて真っ直ぐ先輩の家へ急いだ。

 すると。

 自宅からそう離れてない場所で、前から歩いてくる人影を見てハっと目を見開いた。

 「せ、先輩?!」

 アタシは思わず早足で駆け寄ると、先輩もニコっと笑いながら「おはよ」って言ってくれた。

 「なんで?なんで?アタシ、今日先輩のお家の前で内緒で待ってようと思ったんですよ!!」

 そう言うと、先輩も驚いた顔して「マジで?オレもだよ。なんだ、考えてるコト一緒だったな」って嬉しそうにアタシの頭をくしゃっと撫でた。

 (すごい、すごぉーーーい!!)

 ココロでそう叫ぶくらい、本当に本当にアタシも嬉しくて。

 ───キモチ、ツウジアッテル。

 そう考えるとニヤけるのを止められなくて、思わず先輩の腕に自分の腕を絡めて顔をうずめた。

 「めっちゃ嬉しいですっ」

 顔を上げて満面の笑みを浮かべながらそう言うと、先輩も「以心伝心だな」なんて言いながら優しく笑いかけてくれて。それだけで、朝から上機嫌になった。

 ───先輩の制服姿。

 今日で見納めだから、よーく見ておこう。忘れないように、頭にしっかり叩き込んでおかなきゃ。

 あ、そうだ!デジカメ持ってきたから、今、撮らせてもらおうかなぁ…。

 「先輩。カメラ持ってきたんで、写真撮ってもいいですか?」

 「はぁ?…ここで??」

 先輩は周りを気にしてキョロキョロと見回した。

 「ダイジョブですよ。すぐだし、今なら人通り少ないですから♪」

 アタシは先輩にカメラを向けて「笑ってクダサイ~」とか言いながら何枚か写真を撮った。撮った写真を液晶画面で2人で確認する。

 「ぶっ。コレは無しだろっ!削除」

 先輩は何が気に入らなかったのか、勝手に削除しようとしたから、アタシは必死でそれを阻止した。

 「えーー!ダメですよ!!コレでもいいんです!!」

 どれもちゃんとプリントアウトして持っていたくて、アタシはカメラをそそくさと鞄に仕舞おうとしたら。

 「おっと!まだだよ。今度はオレの番」

 そういいながらカメラをアタシから取り上げ、いきなりアタシに向かってシャッターを切った。

 「んあああーーーー!いきなりはずるいデス!『はい、チーズ☆』とか、何とか言ってクダサイよぉ」

 「写真は普段の姿を撮るモンなんだよ。ほら。コレ」

 先輩が撮ってくれた写真を確認して、アタシは唖然とした。
















 ・・・半目だしっっ!!!














 「イヤーーーーっ!ダメダメ!!これは削除です!!普段こんな顔して歩いてませんからっ!!」

 アタシは慌てて削除した。先輩はそんなアタシの慌てっぷりにクスクスと楽しそうに笑ってる。

 「ごめんごめん。じゃ、今度は2人で撮ろう」

 先輩はアタシの肩に腕を回して、ギュッと自分のほうに引き寄せた。

 香水は嫌いでつけない先輩なのに、傍に寄るとふわっといい香りがする。朝いつもシャワーを浴びるって言ってたから、多分シャンプーとかボディーソープの匂いなんだろうけど…。

 そんな香りに包まれながら、アタシは先輩が伸ばしてる腕の先のカメラに目線を合わせた。

 「5-3は?」

 「にーーーー!!」

 カシャ。

 シャッターを切ったあと、すぐに確認してみると、「お!これすっげーよく撮れてる」って先輩が言ってて。

 アタシも「どれどれ?」なんて一緒に覗いてみたら、ホントに良く撮れてた。心なしかアタシもいつもより可愛く撮れてるっっ!!

 ・・・ように見えるのは気のせい??

 「コレ、オレにもちょうだいね」

 先輩と手を繋いでそんなことを話しながら、通学路をゆっくり歩く。

 卒業式の後は先輩が同じクラスの人たちとお別れ会みたいなものがあって出かけちゃうから、一緒に帰れない。

 だから、これが本当に“最後の通学”なんだ。

 そう考えると繋いだ手によりいっそう力がこもってしまう。



 ───去年のクリスマスの時。

 同じクラスの金城くんに先輩と付き合ってることがバレてからというもの、先輩の予想通り、私たちの噂は3学期の初日から瞬く間に広がってしまった。

 最初はアタシに向けられる女子の目が痛かったけれど、それも何故か不思議と徐徐に無くなって行って。

 多分、学校であまりイチャイチャするようなことはしなかったからかもしれない。お昼休みとかに先輩と一緒に居たとしても、ある程度の距離は保つようにしていたし、校内では手を握ってる姿も見せないように努力してた。

 でも。

 今日だけは学校に近づいてもこの手は離したくない。昇降口までずっとこのままで居たい。誰に何言われてもいいから…。

 ちょっとだけ先輩に寄り添うように歩いてみると、先輩はもっとくっついてきて。そんな風にしてもらえると、すごくココロがくすぐったかった。

 通学の途中に、近道として使う裏路地があって。

 そこはあまり人気(ひとけ)が無くて怖いから、先輩と一緒じゃないときは通らないようにしてる。

 先輩もその道を通ったり通らなかったりするから、今日はどっちの道で行くのかなぁ?なんて思ってると、先輩は裏路地のほうを選んだ。

 (近道のほうかぁ…。時間もまだあるし、アタシはできたら遠回りのほうが良かったんだけどなぁ…。)

 そう思ってると、突然先輩が足を止めた。

 「どうしたんですか??」

 アタシは忘れ物でもしたのかと心配になって聞いてみると。先輩はふっと優しく笑って、アタシの髪をこめかみ辺りからすぅっとかきあげるように撫でながら、

 「少しだけこのままで…」

 そう言った途端、身体を引き寄せられてギューっと強く抱きしめられた。

 いくら人気(ひとけ)の無い裏路地と言っても、さすがに外でこうされるのはドキドキして。アタシは動くことさえできなかった。

 「今日で一緒の通学は最後だから…。ヒカル、こっち向いて」

 そう言われて、アタシは先輩の胸にうずめていた顔を上げ、先輩を見た。近い距離で視線が合うと、また更にドキドキしてどうしていいかわからなくなる。

 そんなキモチが伝わったのか、先輩はいつもの余裕な表情でクスっと笑った。

 ・・・先輩はズルイ。

 いつも余裕で。いつも優しくて。

 どうしてアタシのココロをいつもゾワゾワとさせるの??

 アタシだって、余裕のあるイイ女になって先輩のココロをかき乱したいのに、そんなのは絶対ムリだと思い知らされる。

 離れ離れになっても本当に大丈夫かな?

 先輩は大学でも間違いなくモテると思う。それなのにアタシはこんなチンチクリンで…。色気もなくて…。

 ココロを繋ぎとめておく自信が。

 ……本当は無いんだ。

 あ・・・、ダメだ。これじゃぁまたネガティブなアタシに逆戻りしちゃう。

 “自信”ってどうしたら持てるようになるの?

 好きなヒトと付き合ってても、恋愛って難しいなって本当にそう思うよ…。

 「…ヒカル?」

 先輩に名前を呼ばれて我に返った。アタシ、先輩を見つめたままボーっと考え事しちゃったんだ。

 「あ、えっと。すいません」

 「なんか、訴えるような目でオレを見てたぞ。どした?」

 「いえ。なんか、これでホントに最後なんだなって思ったら色々考えちゃって…」

 またネガティブになってました──なんて言ったら、先輩に怒られちゃうな・・・。

 バツが悪くて思わず目線を逸らそうと下を向いたら、アタシのあごに先輩の手が伸びてきて、少し強引に顔を上に向かされた。

 目線の先には先輩の真剣な表情があって。ここまで真剣な顔は、筆を持って集中してる時にしか見たことがなかったから、何を言われるのかと少し緊張していると。

 「離れ離れになっても、オレはヒカルだけ見てるし、ヒカルしか欲しくないから。心配すんな」

 って。すごく嬉しいことを言われながら、強引に唇を奪われた。

 角度を変えながら舌も絡まってきて、強く吸ったり、優しく口内をかきまわされたり濃厚すぎてクラクラする。

 ───でも、この感じ。

 初めて先輩にキスされた時と似てる。

 あの時のアタシは全然余裕が無くて。先輩のキスに追いつけなくてボーっとしちゃってたけど、今はなんとか先輩について行けてる。それだけでも、ものすごく進歩したなぁと思う。

 「は…ぁ」

 甘い吐息が漏れるのと同時に唇も離れた。

 「ヒカルさ…」

 そう言い掛けた先輩の次の言葉を待っていると。

 「エロい」





 ・・・。




 ・・・・・・。




 ・・・・・・・・・・・・はい?







 アタシは自分の耳を疑った。でも、聞こえてきた言葉は間違いなく『エロい』だった。

 「それって…どーゆーことですかっ!?」

 アタシは訳がわからなくて目をパチクリさせながらそう聞き返すと。

 「キスなんて知りませんって顔してるのに、キス上手すぎ。でもそーゆーギャップのあるヒカルがマジで可愛いし、離したくなくなる」

 「キ…キス上手いって…。先輩がそうさせたんじゃないですかっ!!」

 アタシは赤くなりながらそう答えると。先輩は嬉しそうな顔してた。

 「そっか。オレが仕込んだのかぁ。やるじゃん!オレ!」



 …自分褒めてるしっ!!



 でも、それは本当のことだから。

 「先輩とじゃなかったら、あんなキスしない…。先輩とだからあんなキスができるんですよ…」

 コソっとそう呟いたら、先輩が本気でテレてた。

 「ヒカル、もう絶対離してやんねー。覚悟してろよ?」

 顔を少し赤らめながらそう言う先輩が、なんとなく余裕の無い男の子のように見えて、久しぶりにカワイイなんて思っちゃった…。やっぱり意外な一面を見るってすごく新鮮だな♪



 「これは、今までありがとうのキス」
───そういいながら優しくキスをされて。

 「で、これは、これからもヨロシクのキス」
───そういいながら、また激しくキスされて。



 アタシは本当に本当に幸せモノだと、今日改めて思った。

 先輩に、ちゃんと愛されてるよね?アタシもいっぱいいっぱい愛してるんだよ?先輩の居ない学校は寂しいけど、先輩と別れるわけじゃないんだから前向きに行こう。

 そんなコトを思いながら、アタシ達は学校への道を一歩一歩踏み出した。



 ───まだ着かないで。お願いだから…まだこのままで。

 そう願っても、学校が遠のくわけじゃない。気づけばもう校門までたどりついてしまった。

 先輩はアタシの気持ちに応えてくれて、手はぎゅっと握ったままでいてくれてる。

 アタシと先輩が手を繋いで登校なんて今までありえないことだったから、やっぱりみんなざわついてて。

 「なんかオレ達注目されてんなー」

 そうボヤく先輩を見ながらアタシはプっと吹いてしまった。


 ・・・ってか、“オレ達”じゃなくて、“先輩が”なんだよ。


 アタシは先輩の付録みたいなもの。

 でも、そんな付録でもこんなオイシイ特典があるから、これからも頑張っていける。

 胸を張って、自信を持って、歩いて行こう。先輩と一緒に。

 この手が離れても、ココロは繋がっているから。

 アタシ達は軽く目配せをすると、手を離し、それぞれの教室に向かって歩いて行った。




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らぶあま小説【R15(一部R18)】 オレだけのものになれ! (最新更新日 12/21 SS《Type2》 UP!)

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